ハニィドグゥ

埴輪と土偶が作りたくなるフリーペーパー 「ハニィドグゥ」のブログです。 作りたくなった人向けに東京(谷中)にて 土偶&埴輪づくりワークショップも開催しています。 下町の小さなアートギャラリー、アートスペース谷中ジンジャーが主催しています。御朱印帳ワークショップや御朱印関連ネタ、店主の雑談など多め。TOKYO, JAPAN

ブーリアンマトリックスリローデッド回顧録①

11月2日はブール演算で有名なブールさんの生誕何百年だかでした。


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と言うのは、Googleのアレで知ったのですが……

ふと、

6年前の、

僕の初個展を、

思い出したんです。

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個展のタイトルは、


と名付けました。

白と黒(0,1/二値)を意味するBooleanに、二次元の並びを示すMatrix、二回目の展示を表すReloadedを付けてみました。

お気に入りだった映画のMatrix Reloadedにかけてます(๑◔‿◔๑)♪

二回目と言うのは、この展示の前身版をグループ展に出していたからです。
その時はもっと小さい作品でした。


作品のコンセプト


全体を見ていただくとわかるかも知れませんが、これはQRコードなんです。
5メートル四方の大きなQRコード

QRコードは、白黒の点からなる二次元バーコードで、

バーコードは横方向にしか情報を持たないのに対し、QRコードは縦横に情報を持つ。そのため、格納できる情報量が多く、数字だけでなく英字や漢字など多言語のデータも格納できる。
と、QRコード - Wikipediaで解説されている通り、任意の文字列を表現することができんるですね。


当時(2009年頃)は、ガラケーが真っ盛りで、誰でも持っている携帯電話でQRコードを読み取れる状況でした。

なので、
沢山の写真の並びを目で見て楽しめて、
その集合を携帯電話のカメラで撮るとQRコードに込められた文言も読み取れる
という作品化を試みました。


そしてそこには、何者かによって物事に白と黒とをはっきりと決めつけられてしまう不安感を表したい、と言う隠れたテーマがありました。


なんでも、1か0に、YesかNoに、賛成か反対かに、決めなければならない、決めることを求められる。

でも、僕はどっちつかずの人間なので、なかなか物事に白黒つけられない。

アンケートでは、どちらとも言えない、ばかりを選ぶような人。

ところが、世の中には、賛成だ賛成だ賛成だ!とか反対だ反対だ反対だ!って叫んでいる人が沢山いる。そんな人の声はとても大きい。

あれ?白黒付けられないのはダメな事なのか?僕はダメ人間なの?と不安さえ覚えました。

そんな心情を作品の中に織り交ぜてみたいなと。

肉眼でみたら、完全な白でもない、完全な黒でもない、一枚ずつの写真を、誰か(携帯電話のカメラ)が白と黒に決めつけてくれるのを、感じてほしいな、と。


なぜ、こんなに大きいのか?


QRコードは、普通、数センチ四方ですよね。

そうでないと、携帯電話で読み取りにくい。

なんですが、僕の作ったQRコードは、一辺が5メートルもある。

デカすぎますよ。

何メートル離れたらケータイで読み取れるの?

そんな大きさです。


そうした理由は、

最初の展示の時に、なんとか3メートルくらい離れれば読み取れるサイズで展示をしたんですね。

一辺が60センチだったと思います。


QRコードは、最低でも、一辺に21個の点が必要なんです。

そうすると、1つの点の大きさは、一辺が3センチ未満となります。

3センチ四方の写真、と言うと、履歴書なんかに貼る証明写真サイズですね。

写真展で展示する写真のサイズとしては、どうよ、と言う感じです。

実際、見に来てくれた方から、
一枚ずつ、の写真を
もっと大きくして欲しい。
と言う声を何度もいただきました。

そうか。

そうだよな。

写真だもんな。

一枚ずつ見たいよな。

と。

そこで、現実的なギリギリの大きさまで引き延ばした写真を使って展示をしてみたい、と思い始めたのです。


一辺5メートルの秘密


先ほども言いましたが、QRコードには最低でも21✖️21の点が必要です。

点の数で、QRコードに含ませられる文字数も変わります。

長い文章を入れたければ、点の数もすごく増えます。

つまり、一辺に最低21枚、出来ればもっと多く、の写真が必要と言うことです。

次に、展示できる場所の問題。

普通に壁面で考えると、一般的なギャラリーでは天井高は3メートルあるかないかです。

特殊なギャラリーだともっと高いところもありますが、そういう所はお値段もお高い……

仮に全体が3メートルなら、
写真1枚は15センチ弱。

写真のサイズ的には、アリです。

ただ、3メートルの高さに貼られた写真はとても見にくいですね。脚立が必要?

しかもケータイでQRコードとして読み取るには、相当(数十メートル?)離れないと厳しいでしょう。

結構な難題だな……



長くなったので続きはまた…